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環境調査費0円/(仮称)健康こどもの森

 ご自分に置き換えるのはいかがでしょうか。①21年前の人間ドック結果と②今年の視力・聴力検査だけで、後の健康はOKでしょうか? 
 予算11億円の中で環境調査費0円であり、動植物のリストアップや保全計画はないことが2013年6月11日、私の一般質問で明らかになりました。調べなければ何がいるかわかりません。河川みどり部 櫛田正夫部長は、県がランクする「絶滅危惧種ⅠB類の魚類を確認している」と述べましたが、私は「それとともに、最上位にランクされる絶滅危惧Ⅰ類の両生類も見付けた」と述べました。私が初めて見付けたのではなく、昨年論文も出ています。

絶滅
日本ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅
飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種
絶滅危惧Ⅰ類
絶滅の危機に瀕している種
絶滅危惧ⅠA種
ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
絶滅危惧ⅠB類
ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧Ⅱ類
絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧
現時点で絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化で「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
情報不足
評価するだけの情報が不足している種
絶滅のおそれのある地域個体群
地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

 厚木市が持っている調査結果の一つは市民団体によるものです。魚類や植物などあくまでも特定領域についての補完調査という位置付けのはずです。また、厚木市が持つもう一つの調査結果(1992年)は、国体実施のために行った21年前の環境アセス。少なくとも3つの理由により説得力を欠きます。

①古すぎ。自然環境は変化する。調査は3年、長くても5年のスパン。
②健康こどもの森計画地の3倍ほどのエリアが対象であること。
③環境アセスは事業執行に伴う影響評価であって、動植物のリストアップではない。

 1992年の環境アセスには、次の記述があります。

 哺乳類の餌場(水飲み場)、両生類、爬虫類、昆虫類等の生息環境として重要な地域。これらの部分は、計画上保全されるため生息環境の変化は少ないものと考えられる。しかしながら、計画(造成)に伴い、地下水の変化によりわき水の枯渇等が考えられる。十分留意する必要がある。

 この休耕田(湿地)を道路で分断し、コアな部分に管理棟を設置する計画です。「市が根拠とする環境アセスの記述をくつがえし、大丈夫だとする根拠は?」と尋ねたところ、苦しい答弁でした。生息環境の分断は、造成面積に比例せず、生息域の大幅な減少となり、動植物の急速な減少・絶滅へとつながります。気がつけば在来種は減り、今はいない外来種が目立つ公園となるでしょう。


 厚木市は全国に先駆けて「生物多様性あつぎ戦略」を策定しました。「里地里山保全促進条例の制定」や「厚木市版レッドデータの作成」が予定されています。生物多様性地域連携促進法では、「自治体の取組の強化」がうたわれています。分断道路ではなく、管理棟までの道路に変更するなど、若干の計画見直しをお勧めします。
 総合的な環境調査結果を基に、事業が与える影響について、知恵を出し合う場を設定し、地元有志、大学の森林専門家、学識経験者、県担当者より提言書を出してもらってはいかがでしょうか。人間ドックの結果を基に健康を考えるのと同じです。市担当者も楽になれるはずです。

那須平成の森  (仮称)健康こどもの森自主調査 on 4月 5月 6月  国営アルプスあづみの公園

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