厚木市は、全ての小・中学校でESDカレンダー導入
(2022年度より/提案実現)

 ESDカレンダーは、個々の教科を関連付ける手法です。SDGs教育に直結します。ESDカレンダーを推進した江東区八名川小学校(手島利夫校長)は2017年、第1回ジャパンSDGsアワードにおいて、SDGsパートナーシップ賞(特別賞)を受賞しました。
 私は、2018年より厚木市教育委員会に導入を促し続けて来ました。その結果、2021年9月議会一般質問で「2022年5月より全ての市内小・中学校(36校)で活用を開始」との答弁を得ました。モデル校から始める等ではなく、全ての小・中学校で開始する点が優れていると言えます。なお、ESDとは、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)です。

 2017年3月に告示された学習指導要領には前文が付きました。キーワードは、持続可能な社会の創り手です。これが示された背景を一言で言えば、グローバル化の影響です。世界で日本が生き残っていくために、生きる力という言葉が学習指導要領で示されています。知識の量をふやしてテストでいい点数がとれる児童・生徒、イコール自分で物を考え出せる人間だとは言えません。
 しかしながら、前文が付いたその重要さは、法学に一定の理解がないと判らないものです。また、キーワードが何かも判りにくいです。小学校における英語教育などが報道されましたが、肝心な「持続可能な社会の創り手」の育成は報道されませんでした。
 また、全ての教科を関連付けるカリキュラム・マネジメントの実施が求められています。ESDカレンダーは、その具体的手法です。カリキュラム・マネジメントについて、文部科学省は、「教科等の縦割りや学年を越えて、学校全体で取り組んでいくことができるよう、学校の組織及び運営についても見直しを図る必要がある」としています。

 では、どうすればESDカレンダーを作成できるのでしょうか? まずは、テーマを決める事です。SDGsをテーマにした実践事例(三重大学教育学部附属中学校)もあります。地域課題は、テーマにしやすいでしょう。大分県教育委員会は、ESDカレンダーの作成事例(小学校3学年~中学校3学年)を公開しています。
 私は2020年と今年(2021年)、全国の教員等向けのESDカレンダー作成研修に参加しました。2020年では、栃木県那須町の小学校教員らと3人で「防災・気候変動」をテーマとしました。那須水害(1998年)及び近年の雪不足によりスキー場が困っていることが要因です。この時は事実上、私(現場感覚なしの素人)がアイデアを出し、教員(プロ)が「それは、この月にこの教科で」といった形で1時間で作成できました。
 今年(2021年)は、宮城県仙台市の小学校教員らと「海ごみ」をテーマとしました。その際、昨年の那須町の事例が紹介されました。目標は、「海ごみが出るメカニズムを知り、出来る事を考え、行動する」としました。4月に「レジ袋有料化」と「海ごみ拾いを実践しているグループをゲストに呼ぶ」から始め、3月には校内発表の他、家庭科で「消費者としての行動」の授業を行うとしました。

 なお、私は、次の2つを基軸に議会で質問し、ESDカレンダーの導入を促しました。

文部科学省専門官が厚木市教育委員会でレクチャー。ESDカレンダーにも言及
・学習指導要領には前文が付き、キーワードは、「持続可能な社会の創り手」である。

 日本ESD学会はホームページFacebookで私の一般質問を紹介して下さいました。