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 提案実現へ、ワーキンググループ新設
(仮称)健康こどもの森

 最善の策が取られます。厚木市は、(仮称)健康こどもの森についてのワーキンググループを立ち上げます。「工事への配慮」と「開園後の維持管理に参加する仕組み作り」が目的。よい方向に向かうでしょう。2013年9月の一般質問において私の提案に呼応、行政主導で、市民団体+専門家+工事関係者+行政による組織です。市民が公園作りに参画する組織作りにこぎ着けました。
 例えば、ミズニラ(植物/県絶滅危惧ⅠB類)が移植可能な場合、いつ、どこへか、具体的に話し合って頂きます。ミズニラはこの夏確認されました。相模川以西で確認は箱根仙石原だけであったそうです。

 この計画は、絶滅危惧種が存在しない前提で作られています。しかしながら、こうした事例は全国的に枚挙にいとまがないのが実状です。
 私の政治活動のスタンスは、①現場主義、②税金の使い道を厳しくチェック、③提案型です。今回のケースでも、「動植物調査が不十分」との課題提起にとどまらず、解決策を模索・提示しました。

 ワーキンググループは、希少種への対応、適切な時期における調査、保全、復元まで関わって頂きます。モデルは、沖縄県竹富町の環境情報協議会。建設業者を入れている点が実践的です。図面を見ながら、時には現場で泥臭く、膝詰めで話し合いを行えば、代替措置もかなり具体的な形が見えてくるのではないでしょうか。保全に詳しい方々に折に触れて助言頂くことがお薦めです。
 着工は今年10月。大幅な変更は出来なくても、かゆいところに手が届く方法を実行するだけでも、動植物の保全にかなりの違いが出てきます。
 参加者の皆さんには、公園管理棟で発表会を実施すると生物多様性についての啓発にもなりますし、楽しいイベントとなるでしょう。

鳥類、水生昆虫、淡水魚、両生爬虫類、植物、環境再生

 上記の専門家が必須です。特に、両性爬虫類と水生植物、環境再生をどなたに担っていただくかが課題です。このワーキンググループは実働部隊なので、フットワークの軽い方が望ましいです。専門分野を持ち、学者や学芸員から助言を得ることが出来る厚木市民の参画が理想です。

環境保全の基本方針は、環境配慮の5原則(ミティゲーション)

 鹿児島県の事例ですが、私が紹介した希少動植物保護を目的とした「工事関係者の方々へのお願い」と題する特別仕様書も取り入れられることになりました。
 環境保全の基本方針は、環境配慮の5原則(回避、最小化、修正、影響の軽減/除去、代償)に基づくことが合理的です。河川みどり部も既に考えており、「4M幅の道路を透水性舗装にする」と、私の提案通りに議会で回答しています。
 私は今年、サワガニを見ました。従って、最も綺麗な水である水質階級Ⅰであるようです。ホトケドジョウは、いったん水質が変わってしまうと、繁殖しなくなる可能性もあるため配慮が必要です。
 ホタルのエサとなるカワニナも沢山います。私はこの夏、計画地でホタルを何度となく観察しました。設置するライトはホタルや昆虫の生態を考えて頂きたいです。具体的には、高さは大人の膝ほど。ナトリウムランプで長波長ライト+人感センサー付きがお薦めです。
 私は今年、アカハライモリを3回見ました。アカハライモリの個体群すべての一時的移動(優先順位4/影響の軽減・除去)は不可能。回遊生態を考えると、回避または最小化が選択肢でしょう。工事中や公園開園後、アカハライモリに限らず、動物の適切な保護管理を行うには、難しいことながらも対象とする種の移動・回遊生態、生息場所選択のパターンを知っておくことが不可欠です。
 計画地はサラサヤンマ(トンボ)の安定した生息地です。県絶滅危惧ⅠB類であり、県内ではこの計画地周辺と三浦市三崎町小網代の二カ所で生息が確認されているだけです。サラサヤンマにとって、環境選択はとても脆弱です。木陰を好むことから無造作に産卵場所周辺の木を切ると、それだけでも危ういです。

 課題は尽きませんが、ワーキンググループの皆さんが知恵をお寄せいただき、実質的に市民にとって望ましい公園となることを望みます。

生態系保全は保険

(仮称)健康こどもの森について、私は声を出せない動植物の代弁者、一種のネイチャー・インタープリターとなる一方、厚木市民一人一人の経済利益を意識しながら質問しました。
 身の回りの環境・生態系・生物多様性のバランスが崩れると、どうなるでしょうか? 厚木市民にとって分かり易い事例としては、サルやシカ、イノシシ、ヤマビルによる被害です。プラスになるはずの野菜は食べられる上、有形無形の個人的支出を余儀なくされます。一方で、被害は特に経験がないという市民も少なからずいるはずです。私は厚木の北部に住みながらも、直接的な実害はありません。
 しかしながら、厚木市は毎年、電気柵に象徴される鳥獣被害対策の予算執行を余儀なくされています。鳥獣被害がなければ、市民サービスに予算を振り向けることができます。私たちは通常、自然環境から無料で恩恵受けていますが、その恩恵を受けられず逆に支払いへと転じている実例です。

 自然から受けている恩恵は、生態系サービスと呼ばれます。そのため、カナダでは生物多様性の保全は国家戦略において、保険であるとされています。

優先順位1
回避

行為の全体又は一部を実行しないことにより、影響を回避
・遊水池の保全
道路計画を変更、現状のまま保全

優先順位2
最小化

行為の実施程度又は規模を規制することにより、影響を最小化
・生物に配慮した用水路
木材を利用した護岸水路を整備、影響を最小化
優先順位3
修正
影響を受けた環境そのものを修復、復興または回復することにより、影響を修正
・魚道の設置
落差工により水路のネットワークが分断されている状況を魚道の設置により修正
優先順位4
影響の軽減・除去
行為期間中、環境保護および維持により、時間を経て生じる影響を軽減または除去
・一時的移動
影響を受ける生物を一時的に捕獲、移動し、施工後再び元に戻す
優先順位5
代償
代償の資源または環境を置換又は供給することにより、影響を代償
・代償施設の設置
湿地・池沼等の産卵・生息場所を工事区域外に設置し、同じ環境を確保


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