厚木市議会、会派に属さない議員を代表者会議から除外(2020年より)

 民主主義は、多数者による少数者への抑圧がもたらされることがあります。厚木市議会は、直ちに後藤由紀子代表を会派代表者会議のメンバーに戻し、自由に発言できる民主的な議会運営に戻すことが求められます。

 厚木市議会(寺岡まゆみ議長)は2020年8月7日、会派に属さない議員を会派代表者会議に出席させない決定を行いました。それまでは、後藤由紀子議員が代表者(会派に属さない議員2名の代表)として会議に出席していました。
 私は1995年初当選ですが、初めての事態です。なお、会派代表者会議とは、非公式な会議です。その後、正式な会議である議会運営委員会と本会議が開催されます。

 以下は、2020年9月8日、一般質問において市民参加条例について質問した際の私の登壇発言です。

---
 法律は物事を整理するツールですが、学んだことがないと分かりにくいと言えます。直近の例として、厚木市議会基本条例があります。厚木市議会は8月7日、会派に属さない議員の代表者、後藤由紀子議員を会派代表者会議に出席させないとの決定を行いました。その日の会派代表者会議が終了した後、後藤代表だけが退席を求められ、その後に決定したそうです。その根拠は、厚木市議会基本条例だと聞かされました

 議会基本条例8条は次のとおりです。「議員は、議会活動を円滑に実施するために、会派を結成することができる。」 これは会派というグループをつくることができますよという内容です。

2「会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する2人以上の議員で構成し、活動するものとする。」 これは考えが同じような人たちが2人以上なら、会派というグループをつくれますよという意味です。

3「会派は、議会運営、政策立案及び政策提言に関し、必要に応じて、会派と会派に属さない議員との間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。」 これは会派は、ほかの議員たちともよく話し合ってくださいねという意味です。

  いかがですか。厚木市議会基本条例を会派に属さない議員の代表者を会派代表者会議に出席させない根拠とすることはできません
 厚木市議会基本条例は、2015年6月30日に制定されました。その後の4年間、会派に属さなかった奈良握前議員は、会派代表者会議において自由に発言していました。ところが、後藤議員によると、2019年8月以降、手を挙げても発言させてもらえなかったことがたびたびあり、挙句の果てには出席不可となりました。条例を根拠とするのならば、なぜ奈良握前議員の出席と発言を4年間認め続けたのでしょうか。今までは慣例だったとの主張は説得力がありません。
 私は、提案者に困惑していると郵便を出しました。8月21日、議長から電話がありました。1年後、新たな議長になったときにまた検討することもできると伝えられました。続いて、8月22日、副議長は、提案者自身が再度検討をと言っていたので、もう一度話し合われる見込みだと電話で述べていました。どちらも正確な報告なのでしょうが、副議長の言葉を信じたいです。
 日本は全体主義国家ではありません。憲法第14条は、法の下の平等が定められています。会派に属さない議員の代表者の声を聞かないイコール投票した市民の声を聞かないです。第6条第2項には、「議会は、市民の多様な意見を踏まえ、十分な議論の下に議会運営を行うものとする。」とあります。第14条には、「議会は、議会活動に関して市民に対し情報を公開」とあります。第14条第2項には、「議会は、情報を積極的に発信するため、議会広報紙その他の広報媒体を活用する」とあります。
 誤った条例解釈を根拠に、後藤代表を会派代表者会議から外したことを市民に情報発信するのでしょうか。直ちに後藤代表を会派代表者会議のメンバーに戻し、自由に発言できる民主的な議会運営に戻すことが求められます。
 事ほどさように、パブリックコメントの際には、かみ砕いた表現の逐条解説を市民に提示することが望ましいと言えます。
---