2016年6月厚木市議会一般質問

 2016年6月6日、次の質問を行いました。

(1) あつぎこどもの森公園について
 ア. 運営について
  (ア) 方針を問う。
(2) 過去の一般質問について
 ア. ふるさと納税について
  (ア) 進展はあるか。
 イ. 提案した内容で実施できていない事項について
  (ア) 検討は進んでいるか。

ふるさと納税の返礼品や納付方法の見直しは
 節度を持った上でふるさと納税に取り組んではいかがかと考える。返礼品のメニューを増やし、クレジット決済の導入を考えてはどうか。
答 財務部長 返礼品の新たなメニュー拡大や寄付金に見合ったグレード設定などの見直しを進めている。クレジット決済は、有効な納付方法であると考えており、導入する方向で進めている。
●あつぎこどもの森公園の維持管理計画
 11億円以上の予算を使ってオープンしたあつぎこどもの森公園の維持管理計画は大事である。その生態系管理は50年後を見据えて全体計画を作っていただきたい。自然再生推進法に基づき、NPOや民間団体、地方自治体などで自然再生協議会を組織し、その後、全体構想を策定し実施計画を作るという事業実施例は非常に参考になると思うが、いかがか。
答 河川みどり部長 
自然再生推進法に当てはめ検証したところ、これにある程度基づいた内容で整備できていたと思う。今後は、維持管理計画を策定する。
●視察時の厚木市への宿泊
 昨年度、地方議員の本市への視察24件中、市内宿泊が9件であった。本市への宿泊を積極的に誘致してはいかがか。
 総務部長 本市への宿泊をPRしていく。

 以下は、全文です

◯7番 高田 浩議員 (登壇)里山を切り開いて工事をし、ことし3月にオープンしたあつぎこどもの森公園、その生物多様性は、3年前と現在を比較するとどうなったと思いますか。トンボを例にすると、種類にもよりますが、2倍から3倍、10倍、また今後は30倍から40倍にもなる可能性がある種があります。ワーキンググループの設置など、私が議会で申し上げた改善策を一つ一つ具体化してもらえたことには感謝しております。
 保全しながら利用する、利用しながら保全する。このように、今は、自然保護から生物多様性保全へと軸足が変化しております。あつぎこどもの森公園には生き物の多様性がふえました。厚木市は、開発と生物多様性の保全が両立できた事例と自負してもよろしいでしょう。ただし、日本では、国立公園も含めて、つくった後のことを考えていない事例がたくさんあります。私は今回、あつぎこどもの森公園をつくった後の方針についてお尋ねいたします。
 次に、ふるさと納税ですが、平成24年2月定例会において取り上げたときと今とでは状況が激変しております。節度を持った上で厚木市も取り組んではいかがかとの考えであります。
 また、小林市長の市政になって以来、一般質問における質疑内容に応じて約束検討事項が発表されるようになりました。私は今回、その約束検討事項には入っていない案件について再度お尋ねいたします。つまり、検討しますとの答弁で終わっているその後についてであります。明快な答弁を期待しております。

◯名切文梨副議長 市長。

◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、あつぎこどもの森公園について、運営について、方針を問うとのお尋ねでございますが、運営体制につきましては、現在、本市が主体となって公園の管理運営を行い、自然観察団体の皆様が中心となり組織されたあつぎこどもの森クラブに、里山の自然を体験する観察会や農業体験、冒険活動等の企画運営を行っていただいております。将来的には、市民協働の理念に基づき、市民活動団体の皆様が主体的に運営を行っていくことを方針としております。
 次に、過去の一般質問について、ふるさと納税について、進展はあるかとのお尋ねでございますが、ふるさと納税につきましては、シティセールスの観点から、あつぎ元気応援寄附金として広く情報発信をしてまいりましたが、全国各自治体間において、制度の拡充による競争が激化しているところでございます。このため、財源確保の観点からも、返礼品の充実など、さらに魅力ある寄附金制度となるよう検討しているところでございます。
 次に、提案した内容で実施できていない事項について、検討は進んでいるかとのお尋ねでございますが、一般質問や常任委員会等における議員の皆様からのご提案、ご要望につきましては、内容を精査した後、協議、検討を進め、処理しているところでございます。なお、これらのうち、表明・検討約束事項につきましては、進捗状況を四半期ごとに市議会全員協議会においてご報告させていただくとともに、情報公開の一層の推進を図るため、年度末に広報あつぎ及び厚木市ホームページを通じて市民の皆様に公表させていただいております。

◯7番 高田 浩議員 市長、答弁ありがとうございます。まず、あつぎこどもの森公園についてですが、動植物のモニタリング調査は今後どのように行っていきますか。

◯足立原 満河川みどり部長 今後、あつぎこどもの森クラブの会員である自然保護団体及び自然観察団体の皆様が主導して実施する自然体験プログラム内で動植物の調査を予定しております。平成28年度では、植生調査を2回、トンボ調査、水生生物調査及び両生類調査を各1回実施する予定です。既に5月27日に9人ほどで第1回植生調査を実施しております。今後の大まかな予定といたしましては、8月に第2回植生調査を行い、10月にはトンボ調査、また11月には水生生物調査、2月には両生類調査を予定しております。

◯7番 高田 浩議員 鳥類の調査は行わないのでしょうか。水田やため池をつくったプラス効果として、これまで来なかった鳥が見られるようになっております。いかがでしょうか。

◯足立原 満河川みどり部長 今、大まかなある程度の調査のお話をしました。今回、体験型ということで、募集をして、いろいろな観察団体の方たちと一緒に観察するというイベントの中で、当然ガイドツアーですから、野鳥を見る体験も予定しております。どのような鳥がいるかというのは、観察団体の方たちに協力していただいているあつぎこどもの森クラブですから、当然鳥類関係についても調査を行ってまいります。

◯7番 高田 浩議員 生物多様性、あるいは動物、植物、広く見ていただきたいのですが、医者の世界と似ているのですね。つまり何でもかんでも見られる仙人みたいな人はいないのです。調査は自然保護団体などにお任せの姿勢で大丈夫でしょうか。若者がいると思いますか。費用がかかることも視野に入れていただきたいと思います。
 今年度の企画は、楽しいイベントとなると思いますけれども、初心者向けの体験を意図した企画です。このような調査で生物多様性が保たれるとお考えでしょうか。限界があると思いますけれども、見解をお尋ねいたします。

◯足立原 満河川みどり部長 例えば先ほど高田議員もおっしゃったように、すごくトンボがふえてきたというのは事実でございます。やはり観察団体の方は、非常にトンボに精通している方、先ほど言われた鳥類、または動物、植物、専門的なものがあります。 今、高田議員がおっしゃるように、1人で全てを総合的に行っている方は少ないと思います。各分野の専門の方たちが集まっているグループだと私は認識しておりますので、そういう方たちと共同で、今回のあつぎこどもの森公園の自然については観察していきたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 人も少ないですし、年齢も一定以上ですので、つまり限界があるのです。ですからどのようにするのかというのが今回の議論の1つなのですけれども、指定管理者との契約の中にモニタリング調査は入っていますか。

◯足立原 満河川みどり部長 今回、指定管理者ということではなくて、あくまでも普通の業務委託で行っております。その中には今のモニタリング調査とかは入っておりません。しかし、先ほど市長が登壇でもご説明したとおり、あつぎこどもの森クラブのまとめ役ということが業務に入っております。
 例えば今の観察団体の方たちが高齢化しているとは、私は決して思っていません。やはり自然観察などは今までの豊富な知識が重要だと思いますし、今回参加していただいている方も、子供から大人までいらっしゃいます。そうしますと、そういうものを伝承していくことも大事ですし、また、子供たちが自然に興味を持っていただくことが一番大切だと思いますので、私は、今の観察団体の方たちに熱心にガイドとか指導をしていただいて、一人でも多く自然に興味を持っていただける子供を育てていきたいということも考えておりますので、私は今の体制で十分やっていけると思っております。

◯7番 高田 浩議員 今の体制で十分やっていけると考えているようですけれども、実際によく話し合ってください。とにかく1人で何でもかんでもできる人は世の中にいません。そんな仙人のような人は日本に何人いるかわかりません。厚木市にいるかどうか、私はわかりません。とにかくあつぎこどもの森クラブに全ておんぶに抱っこ、全部任せるという姿勢はどうかと思いますので、少なくともよく話し合っていただきたいと今感じます。
 あと、子供たちに興味を持ってもらうというのは私もそう思っていますけれども、興味を持ってもらうというのと、すぐに専門知識が持てるというのは全く別の話ですので、その点は理解していただければと思います。
 あと、谷戸の一番奥の部分ですけれども、杉、ヒノキの林がありますが、そこは人工的に植林されたところです。適切な管理が行われないと台風で倒れてしまったり、行ってみればわかりますけれども、ひょろひょろと細い木が伸びているだけなのです。ですからあそこは、適正な間伐とか枝打ちなどの管理が必要なのですが、どのようにお考えでしょうか。

◯足立原 満河川みどり部長 今、高田議員がおっしゃるとおり、あつぎこどもの森公園の一番奥は植林で杉が植わっているところで、要は人工林です。やはり人工林でありますので、手を入れなければ、おっしゃったとおりひょろひょろになってしまいます。適正な間伐は必要だと思います。
 今回、私どもも樹木の管理は非常に重要であると考えておりまして、将来的にあつぎこどもの森公園の豊かな自然を持続的に維持するためには、将来を見据えた樹木の間伐や、里山の管理手法として森の一部の樹木を部分的に全て伐採してしまって森の中に光を当てる、皆伐と言うらしいのですが、一定の場所を決めて、全部木を切ってしまって日を当てて、新しい草や樹木を生やすという手法も里山には非常に有効であると伺っておりますので、今後、豊かな自然を守り育てるには、樹木に限らず公園全体の管理計画が重要になりますので、有識者や自然観察団体の意見を取り入れながら、維持管理計画をつくっていかなければいけないと認識しております。

◯7番 高田 浩議員 森林管理の主体はどこでしょうか。

◯足立原 満河川みどり部長 今、特別に樹木に関して専門的に行っているのは、先ほどから言っていますあつぎこどもの森クラブにお任せしているわけではなくて、今まで20年近く何も手が入っていなかったところですから、どのように手を入れたらいいのか、また、どのようによくしていけばいいのか、先ほども言いましたようにトンボとか手を入れることによってふえる動植物も当然ございますので、どのように樹木を維持管理していくかというのは、今ここでどこがということではなくて、自然観察団体とかと相談しながら、一番的確な樹木管理を今後していきたいと思っております。

◯7番 高田 浩議員 あの公園の中には湿地が幾つかあります。湿地の保全について見解をお尋ねいたします。

◯足立原 満河川みどり部長 湿地部につきましては、平成25年度までは年3回の除草作業を実施しておりました。高田議員もご存じだと思いますけれども、そこで国の絶滅危惧種に指定されているミズニラが確認されたということで、観察団体の方たちとも相談したのですが、希少種だから湿地部のカヤを刈るのはちょっとやめようということで、2年ほど刈るのをやめたところ、光が届かなくなりまして、ミズニラが激減してしまったということが見られました。
 カヤの部分については、今回の工事をする前から年3回刈り取りをしていましたので、やはりその環境がミズニラにはよかったのかなということで、今後も行ってみなければわからないというか、手探り状態の部分もあります。今回、湿地部分のミズニラに関しては、適当な草刈りが一番適していたのだろうということで、経験することでわかることがこれからも大分あると思います。湿地部のミズニラに関しては、適正な管理を今後とも自然観察団体と協議しながら進めてまいりたいと思います。

◯7番 高田 浩議員 あつぎこどもの森公園の湿地には、国が指定した絶滅危惧種や、神奈川県絶滅危惧IB類である植物やトンボ、あるいは神奈川県準絶滅危惧種のカヤネズミなどの生息地があります。湿地といっても深さなどが非常に影響しますし、とにかく微妙な環境差によって、今、河川みどり部長がおっしゃるとおり、生息、生育にかなり影響が出てきます。
 その湿地で、現在、多年草であるヨシが目立ち、乾燥化が進んでおります。湿地には手入れが必要であります。ヨシ原を必要とする生き物もおりますので、全部100%刈ってしまえというわけではなくて、今、河川みどり部長がおっしゃったとおり、適切に、実験的に刈ることが大事であります。専門家の意見を聞きながら、では湿地をどのように掘ったらいいか、何メートルの幅と深さで掘ったらいいかとか形状とか、専門家の意見をよく聞きながら進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

◯足立原 満河川みどり部長 高田議員がおっしゃるとおり、やはり先ほど私も言いましたように、手探りの部分は当然ございます。それで私、先ほどミズニラのことを絶滅危惧種と言ってしまいましたけれども、準絶滅危惧種です。大変失礼いたしました。
 それとカヤネズミのこともあります。ただ、今、場所的には当然カヤ関係も残していこうかなという部分も設けております。それと今言われた湿地部分の深さとか、どのくらい残すか。私が最初に危惧していたのは、主園路をつくるときに水源である山を崩して進入路をつくったということもありますし、水源については危惧していたのですが、今回の工事をしても、水量的に減ったということはないです。
 ただ、今、高田議員がおっしゃるとおり、湿地というのは最終的には埋まってしまう宿命にあると思います。それは今言ったように、カヤとかがどんどん根が生えて堆積していくと最終的に陸地になってしまうというのは、例えば尾瀬とかでも見られる現象だと思います。ただ、それを人工的にどこまでやるかというのは、先ほどから私が何回も言うように、今後、有識者とか観察団体と、どのようにしていくのか、管理に対しての方向性も見定めていきたいと思っております。

◯7番 高田 浩議員 オープンしてまだ3カ月たっていないあつぎこどもの森公園が、今、早くも外来種によって危険にさらされ始めていることをご存じでしょうか。ため池は水が抜ける構造にはなっておりません。そのため、ため池を中心にアフリカツメガエルなどの外来種が目立っております。その駆除を行う際、水が抜けないために駆除作業が非常に困難となっております。ことし4月末現在でアフリカツメガエルは321頭駆除されました。ウシガエルは8頭です。駆除したアフリカツメガエルが神奈川県絶滅危惧IB類であるホトケドジョウを食べていたとの事例、写真を私は見たことがあります。
 また、先週土曜日ですが、厚木市にいるはずのない雄のモリアオガエル1頭が市民により確認され、産みつけられていた卵らしきものと一緒に駆除されました。また、雌がいるはずです。それら外来種は誰かが人為的に持ってきたものと考えられます。一度環境に侵入して適応した種の根絶は非常に困難です。ため池の構造が外来種の駆除、対策を非常に難しくしております。ため池から水が抜けるように構造を改良することがお勧めですが、いかがでしょうか。

◯足立原 満河川みどり部長 確かに今おっしゃられたアフリカツメガエルの駆除につきましては、職員も一緒に出て、捕獲するのに非常に苦労したということも伺っております。あとウシガエルも、9頭いたということを当然私どもも報告は受けております。ただ、1つ私どもが安心しているのは、外来種でもアメリカザリガニがまだ一匹もいない。当然厚木市内のそういうため池にはアメリカザリガニが非常に多く生息している事例がありますが、あつぎこどもの森公園におきましては、まだアメリカザリガニの発見に至っていないということで、今、持ち込みとか放されてしまうことを我々も非常に危惧しております。
 今おっしゃられたため池については、今回あらゆる体験ということで、農業体験で稲作を限られた水量でやっていくにはどうしてもため池をつくる必要があるということで、今回ため池を整備させてもらいました。今、高田議員が心配される、要するに駆除するときに水が抜けるようになっていないということなのですが、普通、稲作の田んぼなどで、冬、水を切らなければいけない中で、水閘というものをつくって、暗渠構造のものを設置しております。最後まで抜けるかというのは高さの問題もありますが、ただ、水位を下げることは可能だと思いますので、最後まで、そのため池を干すまで行う必要があるのか、それとも外来種が見られたときに駆除しやすいように水位を下げるだけでいいのかというのは、やはり今後、状況を見ながら方法を……。あとは例えば一時的にポンプでくみ上げる方法も考えられると思いますので、その辺については自然に一番優しい方法を考えていきたいと思います。

◯7番 高田 浩議員 ため池の扱いは非常に重要なポイントですので、よく検討してください。先ほど冒頭でも申し上げたとおり、今まで来なかった鳥も見られるようになって、プラスの面もあるのです。ただ、外来種のすみかになっております。非常にマイナスの点もありますので、その点、よく考えていただきたいと思っております。
 次に、あつぎこどもの森クラブとの意思の疎通なのですが、これは非常に重要です。折に触れて、相手がどのように感じているかを視野に入れることは大事なことであります。私が聞くところによると、市役所に聞いても返事が返ってこない例もあるようです。加えて、本来公園緑地課が行う管理作業を無料で丸投げされていると、会員から不満が高まることも今後予想されますが、いかがでしょうか。

◯足立原 満河川みどり部長 確かに全てをこのあつぎこどもの森クラブの方たちに任せるというのは当然無理があると思います。ただ、あつぎこどもの森公園の草刈りについては、今、厚木市環境みどり公社に、緑の育成管理という業務委託の中で、その整備をする前から、散策路の草刈り、また、先ほど高田議員がおっしゃられた湿地の部分の草刈りは行っております。やはり大きく労力がかかるようなものについては厚木市が行わなければいけないだろうと。
 ただ、今一番私どもが危惧しているのは、全部刈っていいのかというのもありますし、やはり知識にたけた人たちにどこをどう刈ったらいいかというアドバイスを受けながら、協力していただいて、大きく刈るようなところは厚木市主体で行わなければならないと思いますが、主要部分のような希少種があるようなところは、アドバイスを受けながら一緒に管理するのがいいのかなと思います。
 それと今、任せるだけではないということで、一緒に行っていくのですけれども、賃金ですが、今回、こちらのほうもお願いしたところ、ご協力をいただいておりますので、今のところ何か手当てをする、お金を出すということは考えておりませんが、今後、体験実施が順調にというか、今も多くの方に参加していただいているのですが、講師としてやっていただけるとかリーダーでやっていただける方には多少なりの報酬とかは……。
 これは行く行くのことなのですが、最終的に自立して主体的になってきたときには、例えば参加料というのですか、教材費とかをいただいていかなければいけないというふうになってきますので、例えばそういう教材費からうまくやりくりをして人件費等が捻出できればということも、最終的には主体的にという中では考えていかなければならないのかなと思っております。

◯7番 高田 浩議員 何か調査するにも道具を自前でそろえたりということも発生するわけで、つまり個人の持ち出しになってしまっているわけです。そういう形がいつまでも善意みたいなことで続くかどうかは別ですので、その点をよく考えていただきたいという意味であります。
 11億円以上もの予算を使ってオープンしたあつぎこどもの森公園の維持管理計画は大変大事であります。生態系管理は、20年、30年、50年後を見据えて全体計画をつくっていただきたいと思っております。神奈川県内でも重要な湿地の保全策を検討していただきたいと思っております。一貫した保全の理念を持たずに、しかも予算もなく、人材も限られる市民グループにお任せでは根拠がありません。応急処置ばかりのバンドエイド管理では、現在の豊かな生態系は劣化することが目に見えております。
 そこで1つモデルをご紹介いたします。自然再生推進法に基づく事業実施をご紹介いたします。ここでは、NPOや民間団体、地方自治体などで自然再生協議会をまず組織します。その後、全体構想を策定して実施計画をつくります。このスキームは非常に参考になると思いますが、いかがでしょうか。

◯足立原 満河川みどり部長 今、高田議員がおっしゃるとおり、自然再生推進法につきましては私どもも少し勉強したというか、認知しております。その中で今回、あつぎこどもの森公園につきましては、基本構想、基本計画、実施設計まで行っておりますが、私ども厚木市としてもこれだけの里山を自然を残しながらいかに活用していくかというのは、今回が厚木市の中で初めての事業だったのではないかと私は思います。それについては高田議員もいろいろとアドバイスをいただきまして、本当にいい施設ができたと私は思っております。その中で、今回このコンセプトで行ってきた中で、自然再生推進法にどのように当てはめて行ってきたかについて少し検証してみました。
 まず、自然再生推進法の内容につきましては、自然再生事業の基本理念、政府が自然再生基本方針を策定すること等について規定しております。その中であつぎこどもの森公園につきまして一番骨格となるのは、生物多様性あつぎ戦略にまず当てはめました。その内容につきましては、自然再生基本方針のもととなった生物多様性基本法を踏まえ、厚木市の生物多様性戦略を策定しました。
 次に、この自然再生推進法の中では、自然再生基本方針を定めなさいということになっておりまして、自然再生事業の方向性、手続として自然再生協議会の組織化、運営等についてを規定しています。それをあつぎこどもの森公園につきましては、生物多様性あつぎ戦略行動戦略の中で、里地里山の保全と再生の具体的施策としてあつぎこどもの森公園整備事業を実施しました。
 次に、自然再生協議会もつくらなければいけない。その中で、自然再生事業の内容について協議するのは、実施者のほかに地域住民、有識者層、そういうメンバーで組織されますということで、あつぎこどもの森公園では、(仮称)健康こどもの森整備検討ワーキンググループを立ち上げました。有識者や自然観察団体で組織されたものです。
 次に、自然再生全体構想、これは自然再生事業の対象区域、自然再生の目的等について定めるもので、あつぎこどもの森公園憲章というのを今回つくりました。自然環境や里山の文化などの資源を守り、生かしながら、遊んで学んで元気になれる自然体験活動を通じてたくましい子供たちを育てる取り組みについて定めております。
 最後に自然再生事業実施計画、これが今のものになると思いますが、事業の内容、自然環境保全上の意義、効果及び事業の実施に関し必要な事項を定めたもの。この実施計画をつくらなければいけないのですが、体験活動実施体制及び管理運営体制ということになると思います。それはあつぎこどもの森クラブによる体験活動の実施及び、今回委託している業者が管理運営をしていくということでいきますと、今言われる自然再生推進法にある程度基づいた内容で今回整備してきたと私は思っています。
 今後につきましては、先ほどからのご質問の中で、やはり維持管理が一番大事、今後が大事ということは当然私どもも認識しておりますので、今のあつぎこどもの森公園に合った維持管理計画を今後策定してまいります。

◯7番 高田 浩議員 次に、ふるさと納税について質問を移します。
返礼品のメニューをふやして還元率をアップするために、ほかの地方自治体を参考にしてはいかがでしょうか。

◯野元 薫財務部長 返礼品につきましては、新たなメニュー拡大や寄附金に見合ったグレードの設定など、他の公共団体の内容も参考にしながら見直しを進めているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 ふるさとチョイスというホームページに掲載している返礼品の説明についてですが、厚木市内から返礼品を提供する人に文章を書いてもらうというのは非常にいいアイデアだと思うのですが、いかがでしょうか。

◯野元 薫財務部長 現在、厚木市で取り扱っております返礼品は、あつぎ食ブランド、あつぎOECフードが中心となっておりますが、返礼品のPR文書については、商品提供者のご意向を反映した中で掲載しておるところでございます。今後もさらに魅力あるPRができるように、返礼品のメニュー拡大も含め、引き続き商品提供者のご協力を得ながら進めてまいります。

◯7番 高田 浩議員 私は今まで、ふるさと納税について、10までいきませんが幾つかの自治体を結構見てきました。結局そこの職員がどれだけやる気があるかなのです。その点はぜひ考えていただければと思います。
あと、クレジットカードの導入について今まで何回か申し上げましたが、いかがでしょうか。

◯野元 薫財務部長 クレジット決済につきましては、寄附者の利便性等を考慮しますと非常に有効な納付方法であると考えており、現在、高田議員からお話のあったように、新たにクレジット決済を導入する方向で事務を進めているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 それでは、過去の質問についてに移ります。
平成24年12月定例会以降の一般質問から時系列で申し上げます。厚木市に視察、宿泊は厚木市外、これは可能な限り避けてもらうことをお勧めいたしますと申し上げたことがあります。ところが、平成27年度は、地方議員による厚木市への視察が24件、市内に宿泊が9件でした。厚木市への宿泊をもう少し積極的に誘致してはいかがでしょうか。本当は議会事務局長に答弁していただきたいところなのですが、いかがでしょうか。

◯青木達之総務部長 ただいまの高田議員の視察のご質問でございますが、経営革新度日本一をとりまして、非常に電話やメールの問い合わせがふえました。この関係で4件ばかり実際に視察に参りまして、2件が厚木市に宿泊したという状況でございます。なお、今後につきましては、電話等で問い合わせがあった場合には、厚木市に宿泊するようにPRしてまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 生物多様性自治体ネットワーク参加について検討するとの答えでしたが、その後、いかがでしょうか。

◯小島利忠環境農政部長 当時、加入自治体にヒアリングをさせていただいて、具体的には、年1回の定期総会とメーリングリストを活用した情報提供が主な取り組みということでしたので、現在まで生物多様性に関する情報は環境省や神奈川県などから提供を受けているため、生物多様性自治体ネットワークへの参加につきましては見合わせておりました。しかしながら、この生物多様性自治体ネットワークも5年目を迎えまして、ネットワークを活性化するための参加の呼びかけもございますし、全国的な動向、各自治体の取り組みなどのさらなる情報収集という観点からも、今年度、加入してまいりたいと考えてございます。

◯7番 高田 浩議員 2020年東京オリンピック・パラリンピックについて、ほかの自治体に先駆けて、厚木市ではこれができると最初に井戸を掘る姿勢は大変有効であると申し上げたことがあります。事前合宿地としてPRできるスポーツは何か、アスリートの声を大事にする、あるいは担当部長がどんどん出かけていくなどと申し上げましたが、現在いかがでしょうか。

◯相原 保オリンピック・パラリンピック担当部長 今のようなご質問、ご助言をいただきましてからたしか1年8カ月ほど経過していると思うのですけれども、その間、東京オリンピック・パラリンピックの取り組みにつきましても一定の進展がございましたので、少しご紹介させていただきます。
 誘致する競技及び相手国につきましては、新聞発表等でございましたように、ニュージーランドの7人制ラグビーということで、現在誘致に向けた調整を行っております。また、外国とのパイプづくりにつきましては、本年3月、ニュージーランドに赴きまして、ニュージーランドラグビー協会との直接的な交渉を実現させております。また、ニュージーランドとの交流事業につきましても、駐日ニュージーランド大使館のご協力をいただきながら、今、計画を進めております。さらには本年5月、ニュージーランド国籍の元ラグビー選手お2人をあつぎホストタウン交流大使に任命させていただいて、国内及びニュージーランドへのプロモーション活動への支援とか、国際レベルの経験を生かした助言をいただいております。このように、多面的なパイプづくりと積極的な運営に努めているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 サーバーやコンピュータの管理について、市長部局や教育委員会の垣根を越える、つまり情報政策課が一元管理する体制に移行することを提案いたしました。いわばIT統括本部だと申し上げたことがありますが、その後、検討はいかがでしょうか。

◯葉山神一政策部長 教育委員会では昨年度、情報化実施計画を策定いたしました。前回も申し上げましたけれども、これには政策部としても、情報政策課職員がその検討に入っていきまして、一緒に計画づくりに携わらせていただきました。実は今年度は、その計画に基づいて、学校と調整しながら実施に移していく段階と理解しておりますので、この中で改めて、関係部署、特に総務部と教育委員会で調整していきたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 監査事務局は議会とのルートを太くすることが望ましいと申し上げたことがありますが、その後、検討はいかがでしょうか。

◯武尾 睦監査事務局長 監査結果につきましては、地方自治法に基づきまして、監査ごとに議会及び市長に報告するとともに公表しておりますので、これらの報告をご活用いただければと考えております。なお、内容につきまして説明の必要がございましたら、お話をいただければ対応させていただきたいと思っております。

◯7番 高田 浩議員 地域包括ケアに関連して、1年間に100回ほど電子メールで連絡している近隣自治体について紹介したことがあります。ケアマネジャーや事業所を対象とした電子メールの送信を提案いたしました。その後の検討はいかがでしょうか。

◯野元優子福祉部長 事業所への情報提供は、地域包括ケアシステムを構築する上でも大変重要な要素でございますので、全事業所に対し、電子メールでの情報提供が可能となるよう準備を進めているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 3つの債権、つまり強制徴収公債権、非強制徴収公債権、私債権についての法律、法令は非常に入り組んでおります。全てのタイプの債権を比較できるように一覧にしてはどうか、職員にわかりやすくしてはどうかと提案したことがありますが、いかがでしょうか。

◯野元 薫財務部長 ご提案の件につきましては、厚木市の所有する債権の調査を行いまして、昨年12月に債権ごとに結果をまとめたものをイントラネットに掲載し、情報を全庁的に共有してございます。

◯7番 高田 浩議員 公共事業の計画立案後、現状でいかなる場所、タイミング、人によって生物多様性への配慮を行っているか、あらかじめ注意点を共有していれば、希少動植物の保全とともにバランスがとれると申し上げたことがありますが、その後、検討はいかがでしょうか。

◯小島利忠環境農政部長 ただいまのは公共事業における生物多様性への配慮についての仕組みづくりということになろうかと思いますけれども、まずは平成27年3月に改定いたしました環境基本計画の中で環境配慮指針を設けまして、全庁的に周知を行い、各課において取り組みをお願いしているところでございます。また、その実効性を持たせるため、チェックする体制や仕組みづくり、さらには対象とする事業の規模等につきまして、現在、庁内の連携を図りながら検討を進めているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 国土交通省の建設業における社会保険未加入問題への対策について質問したことがあります。平成29年度から社会保険未加入企業とは契約せず、未加入の作業員の現場入場を認めないとあります。厚木市の方向性をと質問したことがありますが、現状はいかがでしょうか。

◯青木達之総務部長 ただいまのご提案につきましては、総務部では3段階に分けて対応しているところでございます。まず最初、平成27年度につきましては設計金額2500万円以上、平成28年度につきましては設計金額1000万円以上、そして最後、平成29年度には金額の要件を撤廃して、社会保険未加入問題を解決したいという方向性で進めております。

◯7番 高田 浩議員 不審者対策ですが、13ある中学校単位、あるいは市役所のどちらかで不審者への対策委員会を立ち上げることを提案いたしました。データの活用をしていただきたいとその場で申し上げましたが、現在いかがでしょうか。

◯古澤裕二危機管理部長 不審者対策につきましては、厚木警察署を初め教育委員会、危機管理部、市民安全指導員など、関係機関、関係部署で構成いたしました不審者対策検討会を立ち上げました。不審者出没の分析や情報交換を行いまして、発生予測を含めた対策について検討を行っております。その結果、青色回転灯を搭載した車両、いわゆる青パト隊によるパトロールでございますが、不審者が多く発生する時間帯、いわゆる児童・生徒の登下校に合わせ、早朝や夕方にパトロールを実施するとともに、注意喚起を促す看板の設置や、地域の方々に愛の目運動を実施していただくなど、防犯活動を行っております。今後におきましても、地域の皆様と一体となった防犯力を高める活動を引き続き実施してまいります。