厚木市は今後、予算案と決算に裁判費用の明記を

 厚木市が訴えらえれた結果、裁判費用が発生。しかし、それが表に出ない予算案と決算であったことが資料請求により分かりました。より透明性の高い予算の使い方になることを望み、改善を求めました。私は2021年2月議会最終日(3月22日)、2021年度の一般会計予算案に賛成の立場から発言した中で、「ご一考いただきたい」と課題提起しました。
 以下は、2013年度から2020年度の間、判決が確定した事件です。1だけは、地方裁判所と高等裁判所で争われた合計金額(弁護士報酬額)です。他は、地方裁判所だけで争われました。

埋蔵文化財試掘調査死亡事故損害賠償請求訴訟事件
損害賠償請求控訴事件

2,593,500円

成年後見制度利用支援事業助成却下処分取消等請求事件

1,386,000円

協定書等締結差止請求事件

1,594,500円

却下裁決取消請求事件

637,200円

損害賠償請求事件

3,078,000円

 以下は、私の発言原稿(3月22日)です。

 私は、議案第27号 令和3年度厚木市一般会計予算に賛成の立場です。しかしながら、実際の予算執行に際し、ご一考いただきたい点が一つあります。それは、1億円の予備費についてです。
 この議場に居る厚木市議会議員の皆さんにお尋ねします。厚木市が訴えられて裁判となり、弁護士費用として予算が使われていた事件があったことをご存知でしょうか? 厚木市の場合、その弁護士費用は、予備費から支出されます。また、決算では弁護士費用や裁判費用などと記述されていません。従って、例え、厚木市議会議員であっても関心を持たない限り、厚木市が訴えられ、裁判費用として予算が使われたことが分からない状態にあります。
 2013年度から2020年度の間、判決が確定した事件だけでも、5件あります。因みに、これら5件は、地方公務員が弁護士費用の保険で対応した事件は含まれていません。
 埋蔵文化財試掘調査死亡事故損害賠償請求訴訟事件、損害賠償請求控訴事件は、高等裁判所まで争われ、259万3,500円掛かりました。
 地方裁判所だけで争われた事件も4つあります。成年後見制度利用支援事業助成却下処分取消等請求事件には、138万6千円掛かりました。協定書等締結差止請求事件には、159万4千500円掛かりました。却下裁決取消請求事件には、63万7千200円掛かりました。損害賠償請求事件には、何と307万8千円も掛かりました。事件名を聞いただけでは、内容が分かりにくいといえます。厚木市は今後、裁判費用を予備費から支出すること及び決算で分かり易く明記して来なかった点をご一考いただきたいです。

 名切文梨議員は2月26日、議会における質疑が「不穏当発言」とされ、厚木市ホームページ上の会議録から削除されたことについて、横浜地方裁判所に提訴しました。これが実際に裁判に至った場合、寺岡まゆみ議長と厚木市の裁判費用は、全て厚木市の予算から支出されます。私は、この裁判費用が発生することを好ましいとは思っておりません。戦うのではなく和解の道を探る事をお勧めします。
 異体同心という言葉があります。厚木市議会議員は、それぞれ立場は違っていても、目的は同じであるはずです。行政をチェックし、厚木市民の福祉の増進に寄与することが目的です。
 先週、宮城県で震度5強の地震がありました。首都圏でもいつ大規模な地震が発生してもおかしくない状況です。厚木市民が地震で被害を受けた状況の中、裁判所に出廷することにもなりかねません。冷静に見つめ直して頂きたいです。
ご自分の人生を逆算して考える方法や、最高裁判所まで争った場合、5年も6年もご自身の血管にダメージを与え続け、ストレスを抱え続けることにより、健康にもマイナスになるとも思われます。
 争うのではなく、「いろいろ考える機会を与えてくれて有り難う」とプラス効果の面を考える方法もあります。お陰様で、私自身も、予備費や決算の在り方に課題があることに気が付きました。市民にとっても議員にとっても、より透明性の高い予算の使い方になることを望みます。何卒、宜しくお願い致します。

参考: 提訴された厚木市議会議長は、和解の道を   議員の発言・訂正・取消し