厚木市、小水力発電の方針を転換

 私が下記の代案を提案したため、厚木市は小水力発電の方針を転換しました。2021年12月7日、厚木市議会一般質問においてです。これまで、何人かの議員が小水力発電を議会で取り上げています。それに対して、厚木市は「市内で小水力発電は出来ない」との答弁であり、太陽光発電のみの政策でした。
  これは、神奈川県企業庁の「厚木市における小水力発電導入可能性調査報告書」(2012年3月)が基になっていました。厚木市七沢で高さ2~3mの砂防ダム3カ所で調査が行われ、「流量も落差も取れないから、出来ない」という内容でした。 しかし、私は別の方法(代案)を提案し、理解を得ることが出来ました。

私の質問

 パイプを使うことによって、落差を100M以上確保することも可能である。発電出力が20kW以上3万kW未満の場合、水力発電の導入加速化補助金の対象になる。見解は?

市の答弁

 平成23年度当時、本市における小水力発電導入可能性は、水の流量や落差などを踏まえ、十分な効果が期待できない、また、維持管理に課題があるとの結果が示され、導入可能性の判断をした。
今後、新たに導入を検討する機会がある場合、そうした補助金の活用も視野に入れ検討したい。

  県企業庁 私の代案
流量
44~76L/秒
40L〜最大60L/秒
発電出力
0.46kw
23kw
落差
2M または 3M
105M

 この他にも、「市職員には、農業用水路や湧水を水力発電に活用できないかとの視点を持って欲しい」や「市外で発電された再生可能エネルギー由来の電力購入の検討を」も質問し、いずれも肯定的な答弁となりました。米作りのための農業用水は、春から秋に限られるものです。しかし、河川法が改正され、小水力発電のために水を一年中使う申請手続きは、簡素化されました。因みに、現時点における太陽光発電の売電価格は、17円。水力の場合は、34円です。
 国は、地方自治体に再生可能エネルギーの活用を促しています。いわゆる、カーボンニュートラルです。 日本は、島国であるため、海洋深層水を使った発電や洋上風力発電を活用できる可能性も高いと言えます。上記は一つの事例ですが、各地方自治体は、「出来ない」との思考停止ではなく、「出来る方法を探す」姿勢を持って欲しいです。

 以下は、参考資料:あつぎ元気地域エネルギー構想実行計画(最新版/2018年)より作成。現段階では、太陽光のみ。

取組項目 2020年目標(MW)

2016年実績(MW)

ア 住宅用太陽光発電システムの普及促進
18.0
13.2
イ 公共施設への太陽光発電システムの設置促進
0.4
0.3
ウ メガソーラーの誘致
5.0
3.9
エ 中規模太陽光発電所の誘致
1.4
0.6
オ 中小企業における太陽光発電等の普及促進
0.1
0.9
カ 農地におけるソーラーシェアリングの普及
0.1
0.0
25.0
18.9