横浜国立大学と北海道大学教員が厚木市職員向けに講義
リスクコミュニケーション

 「この講義は、市役所職員にも聞いて欲しい。住民説明会などで役に立つ。」 これは、私が2020年2月、横浜国立大学大学院でリスク共生社会創造センターによるリスクコミュニケーションの集中講義を受講した際に感じたことです。
 講義を行った横浜国大大学院環境情報研究院・熊崎美枝子准教授に依頼したところ快諾頂き、2020年11月13日に厚木市職員だけを対象とした講義を行って頂きました。15人が受講。今年度新規採用職員や課長・係長、消防署副所長も参加しました。

 熊崎准教授は、リスクコミュニケーションを「相互理解と信頼関係の構築」と定義づけました。行政が住民説明会を行う場合、どうしても「決定事項を説明する場」となりがちです。住民が知りたいことと行政が伝える内容にギャップが生じることも発生します。 様々な心配を抱えて説明会に来る住民もいます。そのため、説明会を一回で終わらせるのではなく、一回目は、「質問を聞く場にする」との手法も示されました。
 また、説明者とは別となる「ファシリテーター」(話の橋渡し役)の役割が論じられました。ファシリテーターは、客観的な立場を取ることが出来れば、公平な仲介者となり得るとされました。

 続いて、北海道大学工学研究院・竹田宜人客員教授がZOOMで講義を実施。「リスクコミュニケーションは、ノウハウではない。相手の立場に立って物事を考えられるかである」と話されました。住民の立場に立った住民説明会が実施出来れば、住民の不満解消や市職員の心労軽減にもつながると思われます。
 講義の中で、「大規模工場の跡地を商業施設や公園として利用する計画。しかし、有害な化学物質が確認」とのシナリオが提示されました。これに市職員は4つのグループに分かれて質問を作成。質問用紙を隣のグループと交換して回答を考えました。以下の写真は、4つのグループが回答を発表している様子です。このように講義は、参加型で実施されました。

 後日、参加した市職員からは、「住民に寄り添った説明会とするが心に残った」や「一週間前、司会進行役を担った他部署職員がファシリテイターをした例を見た。タイミングが良かった」との感想もありました。
 リスクコミュニケーションの理解は、市役所の全ての職員にとって役に立つことでしょう。一過性に終わらせず、職員研修などで定期的な実施が望ましいといえます。