2015年9月厚木市議会一般質問

 2015年9月8日、次の質問を行いました。

    (1) 部署間連携について
      ア. 環境政策について
         (ア) 今後の方針は。
      イ. 滞納について
         (ア) 今後の対応は。
  (2) 厚木市立病院について
      ア. 収入と支出について
         (ア) 分析を問う。

環境政策における部署間連携の方針は

高田 環境政策を担う部署には許認可権がなく、調整に限界がある。公共事業を行う部署に政策調整機能を設けることが望ましいが、見解は。
経営戦略担当部長 公共事業を進めるに当たり、生態系への影響の配慮や希少動植物の保全など、環境農政部などの関連部署と連携し、さまざまな側面から研究したい。
高田 環境に配慮した工事などを行った後に経済効果や付加価値をもたらした事例はあるか。
鳥井理事 兵庫県豊岡市はコウノトリの餌場となる水田の保全、また愛知県安城市は水田と水路の生息生物を保全した結果、収穫された米のブランド化を図り、経済効果をもたらしている。

厚木市立病院事業収支

高田 費用を減らすためには、医療に精通し病院長に物を申せる事務長の存在が望ましい。見解は。
病院事業管理者 質問は経営の根本的な部分と受け止める。現在の医療材料費の高騰が適正化しない限り、黒字化は難しいが、医師のみならず職員の知恵を拝借し、適正な運営に当たりたい。

 ---以下、全文です---

◯7番 高田 浩議員 (登壇)私は、2年前の平成25年2月定例会において次のように申し上げました。「平成の世の中になって25年となりました。この議場にいる皆さんは、平成の乗りをどれだけ自分自身に取り入れていますでしょうか。厚木市も若手職員の発想が生かされる場であってほしいです」、「平成の乗りと言われてもぴんとこないかもしれません。昨年秋、あゆコロちゃんポロシャツをズボンの中にしまい込む、タックインする職員を何人か見かけました。そのセンスは昭和の乗りです。厚木市ではむしろタックインを奨励しているとも耳にしました」。
 この発言を受けてかどうかわかりませんが、2年後のことし、平成27年は、タックインする職員は、ゼロではありませんが、激減した印象を持っております。私は、環境問題や生物多様性保全にも平成の乗りを取り入れていただきたく、実効力のある部署間連携とその制度設計を議論していきたいと思っております。
 環境政策についての重要性の認識は、10年単位で見た場合、高まっております。具体的には、計画地における生物多様性の注意点をあらかじめ承知することによって、生物多様性が保全される手続を取り入れていただきたいと考えております。
 既存の手続として環境アセスメントがあります。しかしながら、少なくとも3つの点で課題が指摘されております。1つ目は、開発の事業計画が決定した後の評価であるため、重大な影響があるとわかったとしても、現実的には事業の中止や大幅な変更が不可能であること。2つ目は、規模が一定以上でないとその調査の対象にならないこと。3つ目は、希少種を見つけても報告されるとは限らないことであります。実効力のある部署間連携とその制度設計ができ上がった場合、その隠れた効果として、計画発表後に厚木市職員が予期せぬ反応を受けることが最小限となることも期待できます。
 また、滞納対策についても部署間連携が必要ではないでしょうか。厚木市は8月、小・中学校の給食費を滞納して支払い督促などにも応じない案件について、9月以降、簡易裁判所に申し立てることを明らかにしました。市が抱えている債権を組織横断的に管理している自治体もあります。厚木市の今後についてお尋ねいたします。
 加えて厚木市立病院ですが、その収支についてお尋ねします。病棟を建てかえ中の厚木市立病院を私たち個人に置きかえた場合、自宅を新築すると、それに伴う物品の購入や思わぬ出費があったり、新たなものが欲しくなることなどもあります。人間ドッグなどで医師に診断してもらったことは何度もありますが、たまには一般的見地から経営状態を拝見したいと思っております。明快な答弁を期待しております。


◯越智一久議長 市長。

◯小林常良市長 (登壇)ただいま高田浩議員から、部署間連携について、環境政策について、今後の方針はとのお尋ねでございますが、本市では、良好な環境の保全と創造に向けて、厚木市環境基本計画を本年3月に改定し、全庁的な連絡調整を図り、計画の遂行に努めております。さらに、厚木市内の貴重な自然を守り、生物多様性に配慮した政策の実施に向けて、厚木市環境審議会や生物多様性あつぎ戦略推進委員会など、多方面からのご意見をいただきながら、より効果的な仕組みづくりについて検討を進めてまいります。
 次に、滞納について、今後の対応はとのお尋ねでございますが、現在、国民健康保険料、介護保険料、保育料など、国税徴収法に基づいて徴収可能な公債権の滞納分のうち、困難事案につきましては、収納課において横断的に対応しております。また、収納業務一元化の拡充につきましては、市税等滞納対策推進本部会議を設置し、関係各部が連携して滞納整理に取り組みができるよう検討を進めております。
 なお、第6次行政改革の取り組みに市債権の収納強化を位置づけ、債権回収業務のノウハウの共有や庁内研修などを実施してまいります。
 以上でございます。病院事業に関する事項につきましては、病院事業管理者からご答弁申し上げます。

◯越智一久議長 病院事業管理者。

◯山本裕康病院事業管理者 (登壇)厚木市立病院について、収入と支出について、分析を問うとのお尋ねでございますが、平成26年度決算において、事業収益は、入院・外来収益及び特別利益などが増加し、86億7045万円となりました。また、事業費用は、給与費、材料費、特別損失などが増加し、104億4072万円となりました。この結果、平成26年度の損益計算といたしましては、17億7027万円の純損失が生じております。主な要因といたしましては、地方公営企業新会計基準の適用により、病院建設事業に伴う減損損失、退職給付引当金などを計上した結果、特別損失が前年度と比較し、一時的に18億7318万円増加したことが大きく影響しております。

◯7番 高田 浩議員 答弁ありがとうございました。まず、環境政策について質問いたします。
 自然環境にはさまざまな部署が関与いたします。一般論として、どこの自治体でも、環境政策を担う部署による調整には限界があるのではないでしょうか。一方、公共事業を行うそれぞれの部署において、自然環境に理解があり、その知見が尊重される職員を常駐できるかといえば、無理な話ではないでしょうか。その結果、どうしても環境影響を軽視する傾向が出てきます。
 世の中の傾向として、自然環境への配慮は意識されるようになってきました。しかしながら、そのための現実的かつ効果的な対応に苦心しているのが全国的な実情だと思います。見解をお尋ねいたします。

◯矢野正男環境農政部長 高田議員がご指摘のことは、私もそのように理解いたします。ただ、私ども、自然環境の保護保全を所管する環境農政部といたしましては、全庁的な取り組みとして環境政策を進める必要があり、その使命感を持って事務に当たっております。さらに、本市の行う公共事業が生物多様性に配慮したものとなるよう、現在、効果的な仕組みづくりについて検討しているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 政策部長に現状と今後についてお尋ねいたします。公共事業の計画立案後、いかなる場所、タイミング、人によって、生物多様性への配慮を現状で行っていますか。そして、今後についてはどのような検討をしておりますか。

◯葉山神一政策部長 部署間連携の調整役ということで私のほうからということだと思いますが、厚木市が行います公園とか道路などインフラ整備の事業、それからイベントの開催、さまざまございますけれども、公共事業の全てにつきまして環境に配慮した対応をさせていただいていると考えております。しかしながら、環境アセスメントのような義務づけのあるもの以外は、チェック体制といいましょうか、仕組みそのものはまだ整っていない状況でございます。したがいまして、今、環境農政部長からお話をさせていただきましたけれども、どのような仕組みが適しているかを含めまして、庁内で環境農政部を中心に検討しているところでございます。
 タイミングという話がございましたけれども、厚木市が行う公共事業につきまして、計画変更が可能な段階でないと意味はないと思いますので、その段階で、事業の規模、あるいは自然環境の重要度を勘案しながら、自主的にチェックするような仕組みにしていければと考えております。
 なお、その際には複雑な点も出てこようかと思いますので、できれば専門家のご意見も伺えるような体制をつくっていきたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 農地担当理事にお尋ねいたします。農林水産省の政策に基づき、環境情報協議会が各都道府県や地方自治体で設置されている事例が見受けられます。厚木市には環境情報協議会がありませんので、どのような組織であるか、お話しいただけますか。

◯鳥井健太郎理事 お答えいたします。土地改良事業に関しましては、平成13年度に土地改良法が改正されました。そのときに、事業の実施に当たっては環境との調和に配慮するということが事業実施の原則として位置づけられました。それに伴いまして、農林水産省本省から、ブロック機関である各地方農政局、北海道開発局、沖縄総合事務局などに環境に係る情報協議会を設置するという通知が発出されました。環境情報協議会は、それに基づいて各地方農政局等に設置されているものです。また、都道府県においても同様の協議会が設置されております。市町村においても、ケースによっては設置している市町村も見受けられる状況でございます。

◯7番 高田 浩議員 沖縄県竹富町の環境情報協議会は参考になりますと、昨年2月定例会で述べました。その竹富町農業農村整備事業環境情報協議会設置要綱第3条は次のとおりです。「環境情報協議会は、事業主体側と民間側委員から構成し、民間側委員は、農業・環境・農業土木等に専門的知見を有する学識経験者から構成する。なお、事業地区に固有種が見られる場合は、必要に応じてその専門分野の学識経験者等を非常勤委員として追加選定できるものとする」。
 これは沖縄県竹富町の事例ですが、環境情報協議会は、一般的にいかなる場所、タイミング、人によって開催され、生物多様性への配慮が行われていますか。

◯鳥井健太郎理事 環境情報協議会は、国営事業の場合は各地方農政局に設置されております。また、地区によっては現場の事務所に別途設置している場合もございます。それから、事業の実施に当たっては、調査計画、設計施工といった段階で進められていきますが、この環境に関する協議会については調査の段階で設置しております。それから、構成メンバーにつきましては、事業実施担当部局と学識経験者となっております。

◯7番 高田 浩議員 環境に配慮した工事を行った場合、その結果として、後に経済効果や付加価値をもたらす事例があるようですが、いかがでしょうか。

◯鳥井健太郎理事 環境の配慮に関する取り組みが後に経済効果をもたらした事例について、2つほどご紹介させていただきます。
 1つ目は兵庫県豊岡市の事例です。兵庫県豊岡市はコウノトリの野生復帰について長年取り組んでおります。徐々に成果も発揮しておりまして、コウノトリのえさ場となる水田にはコウノトリのえさとなる生物がたくさん生息しておりますので、その生息環境を保全するために、無農薬、減農薬で稲作栽培を行っております。その結果、そうした水田から収穫されたお米につきましては、コウノトリ育むお米と名づけ、ブランド化を図り、経済効果を図っております。
 2つ目は愛知県安城市の事例です。安城市内に榎前という地区があります。ここは地域の共同活動として、土地改良事業で整備した農地、水路、農道を保全する取り組みを行っております。そういう中で、環境保全の機運、水田や水路に生息している生物を保全する機運が高まりまして、例えば水路と水田の間に高低差ができますと生物が移動できなくなります。それを解消するために水田魚道という施設を設置して、水路と水田を生物が行き来できる環境を整えました。その結果、水田にフナとかドジョウがたくさん見られるようになりまして、そうした水田から収穫したお米にどじょうの育み米という名前をつけてブランド化を図り、経済効果をもたらしております。

◯7番 高田 浩議員 私は、環境情報協議会の制度設計は、その経済効果も含めて非常に参考になると思っております。
 私は、平成25年12月定例会で環境配慮の5原則に触れました。検討するとの答弁でしたが、検討結果をお話しいただけますか。環境配慮の5原則とはミティゲーションと呼ばれる手法であります。優先順位が高い順番から申し上げます。回避、最小化、修正、影響の軽減・除去、代償施設の設置となります。いかがでしょうか。

◯矢野正男環境農政部長 昨年6月の定例会でも高田議員からご提案いただきましてから、神奈川県とか先進市町村の事例などを調査研究するとともに、生物多様性あつぎ戦略推進委員会などの専門的見識をお持ちの先生方のご意見を伺い、現在、生物多様性に配慮した公共事業の実施に向けて仕組みづくりを検討しているところでございます。検討中の仕組みでは、担当課において自己診断を行い、それを受けて環境政策課、担当のほうで再度評価して、必要によりまして庁内の委員とか厚木市環境審議会などにお諮りして、環境配慮原則も意識しながら、よりよい施行となるよう努めていく仕組みを検討しているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 もう1つ参考事例として、まちづくり計画部にお尋ねいたします。神奈川県外の地方公務員から聞いたことですが、開発担当のセクションは、時には業者からおどされることもあるそうです。たがを緩めず一線を守る、いわば縁の下の力持ちだと思っております。開発の許認可と生物多様性保全とは違いがありますが、守るべき最後の一線を守るという点では共通項があると思います。
 開発審査課においては、事業計画に対して部署間の意見を調整して、まちづくりに必要な指導と許認可業務を行っていると思いますが、どのような点に配慮していますか。

◯小泉 昇許認可担当部長 開発事業についてでございますけれども、関係部署間の調整については、所管官庁、それから庁内の調整を行うために設置しております開発調整会議等により連携を図っております。また、民間開発は個々の事業計画で状況が異なり、適切な対応が求められておりますので、窓口相談から始まりまして、事前調整、現地確認、現地指導等の機会におきまして、法令、基準、運用につきまして丁寧な説明を行い、事業計画が、市民の皆さんはもとより事業者にもよい計画となるよう、公平公正な指導を心がけております。住みよいまちづくりのため、必要な調整を図りながら、業務を推進しております。

◯7番 高田 浩議員 環境政策を担う部署においては許認可権があるわけでもなく、調整には限界があろうことはさきに触れたとおりです。横並びの部署がほかの部署に物申しても、効果が限られるのではないでしょうか。
 公共事業立案時に、自然環境、あるいは生物多様性保全について部署間調整を行う場合、どの段階で、どのレベルで行うのかということが1つのテーマであります。公共事業を行う部署を対象とした政策調整機能、外部審査メカニズムを設けることが望ましいと考えております。条例化を目指していただきたいとも考えております。現段階での私のアイデアとしては、それぞれの各部署の次長をメンバーとして、そして専門家を加えて、座長は政策部長または副市長とすることを考えております。見解をお尋ねいたします。

◯青木達之経営戦略担当部長 昨今、公共事業を進めるに当たり、生態系への影響の配慮や希少動植物の保全など、さまざまな観点から調査検討を行うことが求められていることは理解しております。今回、高田議員がご指摘の課題を検討するに当たりましては、一般論になってしまいますが、1つは職員による庁内組織、そしてもう1つは外部の有識者などで組織する審議会等がございます。今回ご提案の政策調整機能を有する組織につきましては、環境農政部などの関連部署と連携して、さまざまな側面から研究をしてまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 今回、環境政策について取り上げましたが、私の論点は物事をスムーズに進めることが目的であります。どうぞ前向きに検討していただければと思っております。
 次に、滞納について質問いたします。教育委員会にまずお尋ねいたします。今月から取り組む給食費の滞納督促についてですが、言ってみれば、新しいことをしようとしない教育委員会がよくぞ手をつけたなというのが率直な私の感想であります。ましてや滞納処分不可とされる私債権であります。適用される条項などのノウハウがないと取り組みの決定はできなかったのではないでしょうか。

◯松本徳彦教育総務部長 公会計自体が新しい試みの1つということで、ほかにもいろいろ新しいことを行っておりますが、今回の申し立て、支払い督促につきましては、税及び私債権に関する調書の実務経験を持っている職員がおりますので、この職員を中心に、関係法令の研究、他市の状況をしっかり把握した上で、職員一丸となって取り組んだ結果であると認識しております。また、これからも新しいことに取り組む姿勢を持ち続けるということで、職員の指導をしていきたいと思っております。

◯7番 高田 浩議員 給食費と同じ私債権に分類される市営住宅使用料についてお尋ねいたします。教育委員会と同様に、滞納督促を行うのでしょうか。受け取った資料によりますと、滞納の合計は平成24年度末で約2000万円、平成25年度は2440万円、平成26年度末では2710万円と増加傾向にあります。いかがでしょうか。

◯森下俊春まちづくり計画部長 市営住宅にお住まいの世帯におきましては、経済的な理由から生活費の捻出に苦慮されて、結果として滞納されている世帯がございます。一方で、支払い能力があるにもかかわらず支払いをしないなど不誠実な滞納世帯であれば、今後何らかの法的措置も必要になりますので、滞納世帯の状況をより把握できるよう努めながら、徴収業務の見直しについても取り組んでまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 生活保護費返還金と保育料の滞納額は、平成26年度末においてそれぞれどれほどだったでしょうか。

◯野元優子福祉部長 まず、平成26年度生活保護費返還金未済額でございますが、1390万1085円でございます。この内訳でございますが、例えば年金の遡及受給などによる資金の発生など生活保護法第63条に基づく未済額が583万6025円、就労収入の未申告などの生活保護法第78条に基づく未済額が806万5060円となっております。

◯小瀬村寿美子こども未来部長 保育料の滞納額につきましては、平成27年5月31日現在において、平成26年度分が87件、750万5800円、平成25年度以前の過年度分につきましては124件、1135万7195円となっております。合わせますと211件で1886万2995円となっておりますが、このうち保育料につきましては、児童手当法施行規則で児童手当から徴収できるとされておりますので、平成26年度は43件、495万4200円をそこから徴収しております。また、それ以前の困難事例などにつきましても、収納課へ移管して支払いをしていただいておりまして、この件数が8件、181万3200円となっておりまして、大半は徴収できたところでございます。

◯7番 高田 浩議員 私がさきに述べました市営住宅滞納額の約2710万円、それプラス生活保護費返還金未済額の約1390万円、加えて今の保育料滞納額約1880万円を合計しますと、おおよそ6000万円ということになります。その他全ての滞納額を合計すると一体幾らになるのでしょうか。
 厚木市財務部債権管理担当の守備範囲をお尋ねいたします。3種類の債権管理、つまり、強制徴収公債権、非強制徴収公債権、そして私債権、その3つ全てが守備範囲でしょうか。

◯野元 薫財務部長 債権管理担当では、現在、市税及び強制徴収公債権であります国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、保育料及び下水道受益者負担金の滞納分の徴収及び滞納処分を行っているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 経営戦略担当部長にお尋ねいたします。3種類の債権管理について、現状維持か、あるいは改善を模索するかです。全国ほとんどの自治体では、それぞれの部署において債権管理にばらつきが生じております。一方で、その点を改善している自治体も幾つか存在しています。見解をお尋ねいたします。

◯青木達之経営戦略担当部長 行政改革を担当しているということでお答えさせていただきます。滞納への対策につきましては、第5次行政改革実施計画に位置づけ、収納の強化として取り組み、強制徴収公債権滞納繰越分の収納率の向上を高めることができました。今後も継続して第6次行政改革に位置づけました収納の強化に取り組むため、各部署と連携し、先進自治体の事例や徴収方法を初め組織体制のあり方などについて研究し、まさに改善してまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 滞納処分不可とされる私債権である給食費の滞納について、厚木市教育委員会は、今後、簡易裁判所に申し立てる手法をとることになりました。ノウハウがある職員がいたからこそできるわけであります。債権業務を抱えるそれぞれの部署が個別に対応することには限界があるのではないでしょうか。まずはどのような債権があり、その管理状況を確認する。現状では強制徴収公債権だけが守備範囲の債権管理担当のあり方を見直してもよろしいのではないでしょうか。少なくともアドバイス役にはなれるはずであります。いかがでしょうか。

◯青木達之経営戦略担当部長 債権の処理につきましては、知識や経験を有する職員を適材適所に配置するなど工夫をしてまいりました。今後につきましても、職員の知識と経験が十分生きる環境づくりに努めてまいります。
 また、未納者との交渉につきましては、これは公債権であっても私債権であっても共有できるノウハウがあると考えておりますので、関係部署で共有してまいります。
 また、債権管理担当につきましては、市税等滞納対策推進本部会議におきまして、全庁的な調整、ノウハウの共有を積極的に進めるとともに、債権回収のあり方を検証し、私どもの所管になりますが、第6次行政改革達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

◯7番 高田 浩議員 そもそも法令から見た場合、非強制徴収公債権と私債権の違いを明確化できますか。

◯石井 勝総務部長 法令におきましては、私債権と非強制徴収公債権を区分する明確な基準はございません。公債権につきましては、公法上の原因に基づいて発生する債権でございまして、地方税のように地方公共団体みずからが強制徴収できる強制徴収公債権と、行政財産の目的外使用のように強制徴収できない非強制徴収公債権がございます。また、私債権につきましては、私法上の原因に基づいて発生する債権でございまして、契約当事者間の合意に基づいて発生する債権ということでございます。

◯7番 高田 浩議員 これら3つの債権についての法律、法令は非常に入り組んでいて、一言で言うと面倒くさいというか、理解が難しい面があります。したがいまして、全てのタイプの債権を比較できるように、一覧にしてはいかがでしょうか。それによりまして職員の皆さんが共通認識を持つようにする。根拠法令や事項などを全て一覧化することを考えてみてはいかがでしょうか。

◯野元 薫財務部長 まさに私どもも、今後進める上においては、そういうことで整理できればと思っておりますので、その方向で考えていきたいと思っております。

◯7番 高田 浩議員 厚木市立病院に質問を移します。
 病棟が新設され、今後、収入の増加が期待されております。今後の収入と収支をどのようにお考えでしょうか。

◯杉田則夫病院事業局長 おかげさまで新病院第I期工事を無事完成させていただきました。今後の建設工事の予定といたしましては、第II期工事である新病棟、外来棟は平成28年秋ごろの完成予定としております。また、第III期である駐車場を含む外構工事の完成につきましては、平成29年3月を予定してございます。
 こうした状況の中で今後の収入につきましては、新病院が全面完成後の平成29年度以降については病床数が現在の304床から347床に増加いたしますので、外来部門や駐車場も充実することから、入院・外来患者数の増加、並びに手術数が増加して、診療単価の増加が見込まれ、入院・外来収益が大幅に増加するものと考えてございます。
 一方、支出につきましては、医業収益の増加に伴い、当然材料費も増加いたします。それから、新病院建設に伴いまして、減価償却費、企業債の償還金、これらが増加いたします。そのほか給与費については、現在、新体制にすることによって職員採用が増加しておりますので、これについても増加いたしますが、体制が整えば一定に推移するものと見込まれます。
 なお、病院建設中の平成28年度においては、先ほども申し上げましたように、秋ごろの完成ということもございますので、医業収益はある程度の増加にとどまるかと考えてございます。支出については、先ほど申し上げましたように、材料費、経費、新病院体制に伴う給与費の増加を考えてございます。

◯7番 高田 浩議員 次に、資金繰りについてお尋ねいたします。ことし4月末、6月末、8月末において、それぞれ現金がどれだけ残っていましたか。

◯杉田則夫病院事業局長 4月、6月、8月の各月の現金の現在高でございますけれども、4月末につきましては7億5711万円、6月末につきましては1億4124万円、8月末につきましては1億1506万円となっております。

◯7番 高田 浩議員 半年先、つまり平成28年3月の資金繰りを具体的にどのように見込んでいますか。

◯杉田則夫病院事業局長 病院事業資金といたしましては、診療収益は順調に増加しておりますが、先ほど申し上げましたように、給与費、材料費、経費、これらの費用の増加が見込まれております。また、病院建設に伴う企業債の償還であるとか工事費等の支出、これらは多額の資金を伴うこともございまして、資金計画上、一定期間に一時借入金を要する場合も考えられます。こうしたことも踏まえて今後の収入、支出の精査を行いまして、現金資金の収支を管理して資金繰りを行ってまいりますが、平成28年3月末につきましては、現段階では1億円程度の現金残高になるものと見込んでございます。

◯7番 高田 浩議員 どのような種類の資金繰り表をつくっていますか。

◯杉田則夫病院事業局長 現状では資金繰り表というものではなくて、資金繰り表に類するものとして、毎月、例月出納検査がございますけれども、そこで資金予定表というような形で2カ月先の資金計画の見通しを作成し、提出してございます。年間につきましては、資金計画であるキャッシュフロー計算書を作成しているところでございます。

◯7番 高田 浩議員 厚木市立病院は規模がそれなりの組織ですので、最低でも6カ月、あるいは1年先の資金繰り表をつくるのが望ましいと考えます。
 一般会計からの負担金は、平成26年度において11億3428万円でありました。これは総務省の基準によりますので、それはそれでいいとして、経常収支でいつ黒字になる計画ですか。

◯杉田則夫病院事業局長 平成27年度に入りまして、新病棟、救急手術棟が完成した効果もございまして、診療収益については4月から7月までの4カ月間で昨年度と比較しますと約15%、金額で約3億円増加してございます。一方、給与費や材料費の増加に加えまして、特に経費については新旧の施設を同時に管理している状況もございまして、約17%増加しているということで、費用が予想以上に増加している現状がございます。
 また、平成24年度、地方公営企業法全部適用になった段階で経営計画を策定してございますが、新病院建設工事の契約以降に地中埋設物による工期の延長、工事費の増加、さらに物価上昇に伴う工事費の増加がございまして、さらに、先ほど病院事業管理者が登壇でお話ししましたように、地方公営企業法の新会計基準の適用が重なりまして、現状と計画が大幅に乖離している状況がございます。こうしたことから、現状の経営計画の見直しとともに、これが平成28年度までの計画になっていますので、平成29年度からの第2次の経営計画の策定に向けて、現在精査を行っているところでございます。現経営計画で示した平成31年度からの黒字化については、こうした状況もございまして、先送りになるものと考えてございます。

◯7番 高田 浩議員 今は病院建設中の過渡期です。頑張っていただきたいと思っております。
 最後に1つ、病院事業管理者にお尋ねいたします。一般論として、病院の規模にかかわらず、いかなる病院も、医療がわかり、院長に物を申せる事務長の存在が望ましい形であります。医療業界に精通していれば費用もおのずと減っていきます。見解をお尋ねいたします。

◯山本裕康病院事業管理者 今のお尋ねに関しましては、経営の根本的なところをお尋ねいただいたと受けとめてございます。今の日本の医療業界においては、真っ当な診療をすればその分だけ収益がいただける状況になっております。決して過剰な収益を上げようという努力を逆にする必要がない、我々にとっては大変健全な状況になっていると思っております。それに引きかえて支出に関しましては、医療材料費の高騰が、いわゆる医療技術に対する報酬に比較しますと異常に高い状況がずっと続いております。これは厚木市立病院のみならず日本の医療業界全体に言えることですけれども、それが適正な状況で上がっているのか、あるいはある一定の分野に関して重点的な配分がなされているようなゆがんだ状況になっているのかというのは今後正していかなければならないと思いますが、適正な状況にならない限り、現時点においては、医療業界全体が黒字化になるというのは非常に難しい部分があります。
 そういう意味では、費用をどのような形で適正化していくのかということに関しては、私は医師ですけれども、医師のみならず、私どもと一緒にやっていただいている病院事業の職員の皆様方のお知恵を拝借しながら今行っているところでございます。特に平成27年度に新しい病院ができましてから、先ほど病院事業局長からもご説明申し上げましたが、法外に費用がかさんでいる部分がございますので、そこに関しては今特別のプロジェクトチームを組んで修正に当たっているところでございます。簡単にできることではございませんが、全員で知恵を絞って、より適正な運営に当たりたいと思っております。